mastemのブログ

本好きの備忘録( *´艸`)ゆるゆる感想と日常について書いてます

普通って何?『コンビニ人間』から考える

こんばんは、totocco(トトッコ)です。

今夜は夫と近くの本屋さんへ行ってきました。

本を眺めて次はどんな本を読んでいこうかなと考えていました^^

夫は漫画2冊をさっと買ってきました。

好きなもの、欲しいものがあるとさっと買う派の夫と

極限まで悩むわたしですw

 

さて、今夜は村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を以下の流れで紹介しようと思います^^

 

 

まず、あらすじです( ..)φメモメモ

主人公の古倉恵子は36歳のコンビニのアルバイトです。彼女は、「普通」の人たちとは少し違っていて、何かが欠けているような人物です。いつも週5でコンビニで働いています。彼女は周りの人たちから自分が「普通」の人に見えるようにさまざまな努力をしていました。あるとき古倉は、コンビニを首になった元同僚の白羽をみかける。白羽はコンビニに客としてきた女性を待ち伏せしていた。ひょんなことから、古倉と白羽は古倉の部屋で同棲を始めることになる。周りの友人や妹からは、同棲を喜ばれ、これで自分は「普通」の人になれたと思っていた。あるとき家に帰ると、白羽の義理の妹が来て、白羽は借金の返済を迫られていた。白羽は古倉と結婚し、彼女はコンビニのバイトを辞めて正社員として働き、その後に借金を返すと言ってしまったためその後本当にバイトを辞めることになった。

しかしバイトを辞めてしまった古倉は、どうやって生きていいのか分からなくなってしまう。その後白羽が見つけてきた仕事の面接に2人で向かう時にコンビニに入る。

そこで古倉はコンビニ店員として働いていた自分こそ、自分なのだと気付く。その態度に怒った白羽は去っていくが、古倉は面接をキャンセルする。

 

感想

なんでこの本を選んだのか?

さて、わたしがなんでこの本を読んだかについてちょこっと書きます。

この本は155回の芥川賞を受賞した作品で、読んでみようと思ったきっかけは以前村田さんの『消滅世界』、『殺人出産』を読んで世界観にハマったことです^^

どこかにある世間の考え方について縛られている人間たちが「普通」の人間とみなされた世の中で、主人公の古倉は奇妙な存在として描かれています。

みんながいう「普通」って一体なんなんだろう?という問いかけがある作品なのではないでしょうか。

 

この本のどこが自分的には面白かったのか?

マイノリティな思考を持った主人公が世間からの「普通」に疑問を持ちながら、自分を見つけていくところがとても魅力的でした。

 

また、わたしも実際働いていた時に、少し年上の男性から、

「女性の25歳は焦るでしょ。男は25歳なんてこれから」

って言われたことがあります。

その時は冷静にそんなわけない、失礼ですよって言いましたが、内心ふざけるな!って思いましたねw

だって誰かにわざわざ決めつけられるのって嫌じゃないですか。

しかも25歳なんてまだまだ若いのにw

それと同時にそれを本気で思っている人間ってこんな近くにいるんだってびっくりしたんです。

生きるのって、自分自身が何歳で結婚して…子どもをとか考えるのならいいですけど、人が勝手に価値観を押し付けてくるのはどうなんだろうと。

 

本作では、人の価値観に逃げ惑う白羽がいます。

35歳、無職、未婚で世間の人々は容赦なく彼に烙印を押そうと襲ってくる。

実際の世界も烙印を押そうとしてくる「自称普通の人たち」の攻撃を阻止するためには、「普通」の人間のように見えないといけない苦しみがあるなぁって悩みますね。

 

どんな人に読んでほしいか?

この本は、自分が世間の「普通」からはみ出していると感じている人に読んでほしいと思いました。また、あの人はどこか変わっているっていう人が身近にいる人にも読んでほしい作品です。たくさんの価値観があることを考える一冊であってほしい。

私はこの本から、「世間の思う普通」を考えてほしいです。

 

さいごのまとめ

村田さんの作品のキーワードは「世界」「普通」「正常」などの言葉かなと個人的には思っています。また読んでいて、村田さんの小説はなんとなく無機質なものだと思ってます。

他の小説を読んでいると、その作品それぞれの特徴というか、何かイメージが出てきて、どこか騒がしい印象を受けています。

しかし、村田さんの作品はどこかリアリティを感じるのに音のない本を読んでいる感じがします。

これは、『消滅世界』を読んでいても同じような雰囲気になりました。

 わたし自身は村田ワールドは音のないきれいな空間の話として読んでます。

 

長くなりましたが本を通して、たくさんの「普通」が生まれたらいいなと思うtotoccoでした。