mastemのブログ

本好きの備忘録( *´艸`)ゆるゆる感想と日常について書いてます

私が人殺し⁈記憶のない女性が容疑者のミステリー

こんにちは、totocco(トトッコ)です(*´ω`)

今回はこちらの本を紹介します^^

 

『ガラスの殺意/秋吉理香子』

 

 

◆感想

簡単なストーリー

交通事故の後遺症によって記憶障害になった女性が殺人事件の容疑者として逮捕される話です。

通報者は彼女自身。被害者は記憶障害の女性の両親を殺害した加害者でした。

つまり女性からみると、両親の敵です。

彼女の障害に困惑する捜査官たち。しかし状況的に彼女が殺害したものと判断され留置されてしまいます。

本当に彼女が殺害したのか?

ラストは思いもかけない展開へ。

 

個人的に印象的だったところ

わたしがとても共感したところは、捜査官優香と母のことです。

認知症となった母を介護する話し合いのシーンで、兄や弟は優香におしつけていました。

介護は女性の役目だという価値観がまだまだ強いのだなとショックを受けました。

そして優香の気持ちが痛いほど伝わってきます。

介護と仕事の両立の難しさから、きちんと母を介護できないという気持ち。

介護に消耗していく様子。

ろくに介護を手伝わない兄からの何気ない言葉がとても鋭くわたしの心にも刺さりました。

 

わたしの祖母は、長く認知症を患ってました。

母が一人で祖母を介護してました。

わたしはちっとも手伝わず、施設に入所してからはあまり会いに行きませんでした。

それはとても怖かったからです。

会いに行ってもわたしの知っている祖母はどこにもいなくて、話しかけても祖母はわたしのことが思い出せません。

何度も母と間違われました。

思い出してくれても数分で「アンタ誰よ。」と言われてしまう恐ろしさ。

徘徊、怒りっぽくなる、被害妄想などで介護する側の心がどんどん削られていく様子が当時のわたしと重なって涙が出ました。

本当は何度も会いに行く、母だけに負担をかけさせないとかわかっていました。

あの時の苦い記憶がとても蘇ってくる作品でした。

 

でもラストに優香の後輩が優香にいうセリフですごく救われました。

母たちの介護をしないといけなくなった時は、わたしはできる範囲で頑張ってみようと思います。

 

◆さいごに

この話のテーマは殺人事件です。

そしてもうひとつのテーマが記憶障害と認知症…つまり愛する人から忘れられてしまうことだと思いました。

愛する人が自分のことを忘れても変わらずに愛を注げる光治がとてもすごい。

しかも自分が死んだあとまで妻を守ろうとした彼の愛はとても真似できないと思いました。

悲しい最後なのに、心が温かくなる。

でもたとえ夫のことが分からなくても、無意識にどこかで覚えている万由子に泣いてしまった。

 

まだまだ書き足りないところがあるので、もしかしたらまた書くかもしれません(*'ω'*)

見どころがたくさんある作品に出会えてとてもうれしいです。

秋吉理香子さんの他の本も読んでみたいと思いました^^

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!