mastemのブログ

本好きの備忘録( *´艸`)ゆるゆる感想と日常について書いてます

【読書感想文】三歳児神話について考えてみた

こんにちは、totocco(トトッコ)です(*´ω`)

皆さんは三歳児神話を知っていますか?

これは子どもが3歳になるまでは母親が子育てをした方がいいというものです。

確かに愛情をたっぷりと込めて自分の手で育てるのは大切だと思います。

でも、どうして母だけが子育てをしないといけないんでしょうか?

なんで父親が含まれていないんでしょうか?

 

今回のテーマは、子育てです。

定年退職したおじいさんの目線で書かれています。

では、ゆるゆると紹介していきたいと思います( ..)φメモメモ

 

『定年オヤジ改造計画/垣谷美雨

 

 

 

◆感想

 主人公の常雄は定年退職を迎えた。その後も働いていたが、その会社が倒産してからは家にずっといる生活に。家では妻や娘に冷たくされていた。そんな時に息子から孫の保育園のお迎えを頼まれる。子どもの世話は母親がするべきという考えだった常雄だったが次第に考えが変わっていく…。

 

◆◆◆

すごく面白い内容でした!

まず常雄は自分では悪い夫であったと全く気付いてない。仕事で疲れているからを言い訳にして家事や子育ては全て妻に丸投げしていた。

家事や子育てなんてだれでもできる取るに足らないものと思っていた。

定年退職してからも、十志子に自分の世話をするのが当たり前という態度を取っていたのがゾッとした。

何かにつけて男だからできないなんて言われ続けたら、十志子のように諦めてしまう。

だって全然理解できない人間に何度も話すよりも、黙って自分でやった方が早いもの。

 

◆子育ては母親だけの仕事じゃない

本作では、常雄の兄弟たちのように高齢でも常雄のように子育ては母親だけがやるものと捉えてないところが意外だった。

これはわたしの中にある高齢者に対する偏見があるからで、反省するべきところだ。

常雄のことを考えが古い人間と軽蔑したけれど、そもそも年齢関係なく神話を信じている人がいるし、年齢だけで一括りになんてできない。

わたし自身の中にもどこかで家事は女がするもの、男は仕事っていう価値観があるんじゃないか?と、ハッとさせられた。

「良妻賢母」とか「三歳児神話」って、本当に都合がいいなと思う。

常雄が兄弟たちと話すシーンで、そういう神話は政府によって作られたイメージと言われ目が覚めていく感覚はものすごく納得した。

今度は働き手が少ないから、女性が活躍する社会へと謳って今度は女性を安い労働力(パートや派遣などの1非正規)でこき使おうということかなと邪推してしまう。

 

◆常識を疑え

世間で言われている常識を疑うことの大切さがよくわかる作品だった。

テレビなどのマスメディアが堂々と言っていることを一度本当か疑う必要があるなと思う。なんでもかんでも鵜呑みにして常雄のようにならないようにしていきたい。

その為には、自分で経験することが大事。

知識を増やすことももちろんだけれど、それだけだと常雄のように鈍くなってしまいそう。

 

◆共働きなのに家事育児は女だけ?

本作では本当にこれでもかっていうくらい男女の本音が入っている。

男だからできないと甘えて今まで家庭を顧みなかった常雄。

家庭にお金を入れているんだからいいだろ、自分は妻に手を挙げなかったからいいだろ。女は早く結婚しろ、子どもを産め…など。

こんなことを真剣に言う夫に疲れて夫源病になった妻。

友人たちの話を聞いて結婚したくない娘。

息子は仕事が忙しいなどと言って嫁の麻衣に丸投げしている。

かつての常雄のように。

 

言われないと分からないという常雄に甘えていると思った。自分が一番なのだ。

わたしの夫がこんな風にならないように気を付けようと思った。

そして自分自身にも神話やプレッシャーをかけすぎないで、頼れそうな人やサービスをたくさん利用しようと思った。

きっと子育てで一番大切なことは、親が疲弊していないことだと思う。

余裕をもって接していくためには、時におじいちゃんおばあちゃんの力や保育園やベビーシッターといった外部の力、何よりも夫の力に頼っていくことだと思った。

 

◆後半からの展開について

次第に常雄が変わっていくのは良かったと思った。

やはり実際に孫を預かって子育てをしてみるのが母たちの気持ちを理解するには一番だと思う。

そうやっていく内に、常雄の意識が変わっていく。

自分のことは自分でやるようになったし、家事をしていて失敗することから多くを学べたように思う。

かつての同僚の荒木との会話から危機感を持つようになり、息子を変えていくプロジェクトは成功して本当に良かった。

 

 

◆さいごに

リアリティのある小説のいいところは、自分が経験していないことを実際に経験したような感覚にさせることだと思う。

まだわたしたちには子どもはいないけど、実際に子どもが生まれたらまずは夫と協力して子育てしたい。

夫が何をしたらいいのか分からなかったら、こうしてほしいって伝えていこうと思う。

まずは声を上げて、こういうことに困っているからここをやってほしいと伝えたい。

こうやって夫と一緒に大変さを分かりあっていきたいと思ったtotoccoでした(*´ω`*)

 

 

 

最後まで読んでくださってありがとうございました^^