【途中読書感想文】『不在/彩瀬まる Part2』
こんにちは、totocco(トトッコ)です(*^-^*)
今回は以前の続きで、こちらの本についてゆるゆる書いていきます( ..)φメモメモ
『不在/彩瀬まる』
◆感想
実の父が亡くなり、遺言で実家を受け継ぐことになった明日香。
遺言状には付帯事項として、明日香以外は屋敷には立ち入らないということが書かれていた。
早速彼女は家の中の片づけを始めます。
◆◆◆
主人公の明日香の気持ちの変化が読み取れるようなシーンが多くなってきました。
読み進めているうちに、明日香たち登場人物たちの詳細がわかってきます。
明日香
漫画家で、婚約者の冬馬がいる。入籍しようとした矢先に父が亡くなる。31歳。
冬馬
明日香の婚約者。2年前から付き合っている。26歳。
明日香が描いた漫画が原作の舞台を演じたことがきっかけで付き合うようになる。
きれい好き。よく掃除している。
引越し業者やホテルのアルバイトをしていた。
鷹光
明日香の兄。現在は結婚していて3人目の子どもがもうすぐ生まれる。
父の葬式には参加しなかった。
製薬会社に勤務している。
◆◆◆
明日香はきっと家を相続することになって、父の存在を探していたんだと思う。
父からの愛情が不足していたんだろう。
祖父とのピアノの思い出や幼いころ聞いた両親のケンカから、明日香は自分のことを否定的に捉えているようだ。
まるで自分が描いた漫画のオルカのように。
もう一人のフィンはきっと兄のことだろう。
この一家の中で同じように生まれた子どもたち。
兄と明日香は何が違ったのか?
いや、違いなんてあったんだろうか。
でも兄は父から選ばれた。
その理由が家を継がせる(医者としてだろうな)ために兄が欲しかったんだとしても、明日香にとってはショックだっただろうな。
兄と明日香が話す場面では兄はとても冷めていて、でも明日香のナイーブな心の部分をえぐるようなことを言ってくるのはあまりにもひどいと思った。
「お前さあ、いい大人のくせに親に愛されたとか愛されてないとか、変だよ。かわいそうになあ、離婚の時期が悪かったんだろうな。お前、甘えたい盛りだったから。」
…「早く結婚して子供作って、親離れしろよ。そうすればどれだけ自分が変なこと言ってるかわかるよ。人生は短いんだぞ。そんなくだらないところで引っかかるな。」(P.59)
正論で固めた言葉で明日香を突き刺しているみたい。
子どものころからの心の傷は大人になったからと言って簡単に傷口がふさがるわけがない。
明日香は自分が家を相続することになって、父から選ばれたような気がした。
そして兄に家を相続したことをうらやましがられたいと思っていた。
でも実際にはいらないと言われたことに深く傷ついただろうな。
人の心の傷は、時にその人の原動力になるんだろうと思った。
少なくとも明日香の場合は。
この苦くて苦しい思い出のおかげで、彼女は漫画家として成功しているんだから。
◆さいごに
兄の気持ちが分からないと頭を抱えました。
明日香に感情移入しすぎて、兄が言った言葉が自分にも深く刺さって痛かったです苦笑
まだまだ物語は序盤です。
これから中盤、終盤にかけてどんなドラマを見せてくれるのか楽しみです( *´艸`)
ここまで読んでくれてありがとうございました^^