【読書感想文】『不在/彩瀬まる』Part3
こんにちは、totocco(トトッコ)です(*^-^*)
今日は暑い秋の一日でしたね。
一体いつになったら秋がやって来るのやら…。
さて。
今回は彩瀬まるさんの作品を読了したので。
既に3回目ですが、ゆるゆると書いていきます( ..)φメモメモ
『不在/彩瀬まる』
◆感想
ずっと疎遠だった父の遺産を相続し、かつて暮らしていた屋敷を相続した明日香。
彼女は恋人で近々入籍する冬馬と共に屋敷の片づけをしていきます。
明日香の気持ちの変化
冬馬との関係は明日香の独りよがりのいびつな愛だったように思います。
愛だと思っていたのは明日香だけ。
でもそれはそうだなと思った。
たとえ家族であっても考え方が違う。
冬馬の気持ちもよくわかる。冬馬はきちんと明日香に自分をみてほしかったんだと思う。
自分のことをペットのように飼わないでほしい。
対等でいたい。
だから自分の実力で砂川から声がかかったと思っていた冬馬は、実は明日香が手引きしたことだったことに絶望したんじゃないだろうか。
自分の実力じゃなかったんだと。
明日香の気持ち(自分が世話をみないと冬馬はダメ)も冬馬の気持ち(自分の実力で仕事をしたい)も両方わかるから読んでいて苦しくなった。
最期まで謎だったこと
父はなぜ明日香に屋敷を託したのか?
小さな子どもはなんだったのか?
◆さいごに
彩瀬まるさんの作品は、2作品目でした。
初めて読んだ本は、『骨を彩る』でした。
『骨を彩る』という本は、読後感がすごく暖かくなるのに対して今回の本は心が痛くなるようなシーンが多かったように思いました。
明日香の心の変化がすごく表れていて、冬馬を失った後に前を向いて進もうとしている明日香をみることができてすごく励まされました。
『骨を彩る』も『不在』も彩瀬まるさんは登場人物たちの心の変化を描くのがとても丁寧に描かれているなと思いました。
今作のように怒りや独りよがりの愛もそのままそっくりと。
ここまで読んでくれてありがとうございました^^