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【読書感想】イギリス王ジョージ1世に32年間も幽閉され続けた悲劇の王妃、ゾフィア・ドロテアについて本の虫がまとめてみた!

こんにちは、totocco(トトッコ)です(*^-^*)

今回はイギリスの王妃、ゾフィア・ドロテアについて。

ゾフィア・ドロテアとは18世紀のイギリスの王妃であり彼女の夫、つまりイギリス王はジョージ1世。

ジョージ1世といえば、現在のイギリス王室の始まりのハノーヴァー朝を開いた人物ですよね。(ちなみに現在のイギリス王室はウィンザー朝と名称を変更しています)

ゾフィア・ドロテアは、とても美人な女性でした。

しかしジョージ1世によって32年間も城に幽閉されることになったのです。

 

歴史的にみても彼女のような悲劇に見舞われた王妃はそうそういないでしょう。

何故彼女はドイツの古城に幽閉されることになったのか?それではゾフィア・ドロテアについて紹介していきます!

 

 

◆姑ゾフィーとの因縁

ゾフィア・ドロテアは自分の誕生日に結婚を知ったそう。

相手はいとこのジョージ1世でした。

ちなみにゾフィア・ドロテアはジョージのことを嫌っていたそう。

しかし父親同士が結婚を決めてしまったため、結婚することになったのでした。

 

またジョージの母、ゾフィーはゾフィア・ドロテアのことを嫌っていました!

というのも、ゾフィア・ドロテアの父は元々ゾフィーの婚約者だったため。

婚約していたにも関わらず、彼は婚約破棄(天然痘のせいでゾフィーの容姿が変貌したためと言われる)して、あろうことかハノーヴァー領と婚約者ゾフィーを弟エルンストへ譲ったのです。

なんとも失礼な人ですよね!

結局ゾフィーとエルンストは結婚し、ジョージ1世が生まれることに。

 

しかしその後なんとゾフィア・ドロテアの父は平民出身の美しい女性と結婚。

これはゾフィーにとっては屈辱でした。

当時の社会は階級社会。

名門出身の自分と結婚せずに、貴賤結婚ということで彼女のプライドはズタズタ。

更に自分の息子の花嫁として、かつて自分との結婚を破棄した男の娘を迎えることになったのでした。

ちなみに通常ならば貴賤結婚した妻とその子どもには財産分与はありません。貴族にもなれません。しかし幸運なことに母エレオノールが公爵という称号を得られたため、貴族となることに。

そのためジョージと正式に結婚することができました!

 

 

◆ゾフィア・ドロテアの浮気

しかしながらジョージとの結婚生活は不幸の始まりとなることに。

姑と子姑からの嫌がらせ、夫ジョージには次第に蔑ろにされるように。

ジョージ1世はゾフィア・ドロテアの母が低い身分だったことをバカにしていたそう。

なんともイヤな男ですよね。

 

そんな毎日からの逃避だったのでしょうか。

彼女はスウェーデンの貴族の男性と駆け落ちすることに。

残念ながらこれが失敗に終わると、28歳から亡くなるまでの32年間、ドイツのアールデン城に幽閉されることになったのでした。

元々はジョージ1世が離婚するから成立するまでの間はこの城にいるようにと言ってゾフィア・ドロテアを城に留めさせたのです。

ところが離婚する気などなかったジョージ1世。

彼女が死ぬまで城に閉じ込めていたのです。

自身は愛妾を持っていたのになんとも身勝手な人物ですよね。

しかも息子ジョージ2世とは会わせてもらえず、面会は母のみが許されていたそう。

ジョージ2世は母ドロテアを父ジョージに取り上げられて育ったため、父に対して激しい怒りを持つように。

 

 

◆ドイツの貴族がなぜイギリス王となったのか?

ジョージ1世はハノーヴァー領を治める貴族でしたが、そもそもハノーヴァーとはどこにあったかご存知ですか?

なんとドイツ!

しかしなぜドイツの貴族がイギリス王となったのでしょうか?

 

それはイギリスのアン女王とジョージの母ゾフィーとの関係に秘密がありました。

なんとゾフィーはアン女王の遠縁にあたる人物。

そしてアン女王には子どもがいなかったため、王位継承法によりイギリスのステュアート家の血筋を引き、かつプロテスタントの者が継承できるとされていました。

その条件に合うのは、ゾフィーのみ。

この時ゾフィーはアン女王が亡くなる2月ほど前に亡くなったため、その息子ジョージが継承することに。

ちなみにこの時のジョージは54歳で、当時では高齢だったそう。

 

◆ジョージ1世と2人の愛妾

こうしてジョージ1世がイギリスへやって来た時にも、ゾフィア・ドロテアの姿だけはありませんでした。

もちろん、ジョージがゾフィア・ドロテアを幽閉していることはイギリス国民は知っていました。

更にジョージは不美人な愛妾を2人連れていたため、歴代の王の中でも人気のない王として有名。

 

余談ですが、愛妾の内一方はかなり痩せていたためメイポール、もう一方はかなり太っていたため象というあだ名がつけられたとか。

そしてジョージ1世はこの二人を連れて、周りが驚く様子を楽しんでいたそう。

かなり悪趣味な人物だったことが分かりますね。

 

政治的には英語が分からなかったため、政治は丸投げ状態に。

このためイギリスでは「君臨すれども統治せず」というスタイルが確立されることに。

 

 

◆さいごに

いかがだったでしょうか?

王から32年間もの間ドイツの古城で幽閉され続けた王妃ゾフィア・ドロテア。

ジョージ1世との結婚には泣いて嫌がったというのに、運命を変えることはできませんでした。

ちなみにゾフィア・ドロテアの話はこちらの本に載っています^^

他にも雷帝と呼ばれたイヴァン4世の妻たちの話や、ハプスブルク家マルガリータ王女の話なども^^

 

「残酷な王と悲しみの王妃/中野京子