mastemのブログ

本好きの備忘録( *´艸`)ゆるゆる感想と日常について書いてます

【読書感想文】「もっと知りたい怖い絵展/中野京子」

こんばんは、totoccoです^^

今夜は中野京子さんのこちらの本の感想をゆるゆると書いていきますね。

 

「もっと知りたい怖い絵展/中野京子

 

◆感想

「レディジェーン・グレイの処刑/ドラローシュ」

今回紹介された作品の中で1番自分の中でよく知っている作品がこのジェーン・グレイ。

ドラローシュの描くジェーンは、白いドレスを着せられ、上等なクッションの上に跪かせられている。

ジェーン・グレイとは、イングランドの女王。

絶対王政イングランドを支配したヘンリ8世が亡くなった後、息子が王位に就くことになったけれど、若くして亡くなることに。

この後に王位に就いたのがジェーン・グレイ。

しかしこれは、ジェーンの周りの人物たちがジェーンを担いで王位に就かせたもの。

しかし王位継承順が最も高いメアリが女王宣言したことで、ジェーンの運命が一変。(そもそもジェーン・グレイの王位継承順は王位継承権がある人物の中で最も低い位置でした)

結局ジェーンは処刑されることになりました。

ちなみにこのメアリとは、後にブラッディメアリと呼ばれる、メアリ1世。

 

 

さて、紹介されている絵画について。

白いドレスという演出が見事。

これは、彼女が無実の罪を背負わされていることを示しているから。

たった9日間しかイングランドの女王としていられなかったジェーン。

しかも女王を本人が望んだわけではなかった。

10代の若き女王が今まさに命を奪われる瞬間に立ち会わされているような気分で絵画を目にすることができる。

これはひとえにドラローシュの画力の高さを感じられますね。

鑑賞者は目の前で処刑される様子はとても恐ろしい。

しかしそんな恐ろしい場面をドラローシュの絵筆によってドラマティックに演出されている本作はぜひ見てほしい作品の1つ。

 

◆さいごに

小さい頃から絵を見るのが好きでした。

絵でどこまで本物(人であったり動物であったり物であったり自然であったりと…)に近いものを表現できるのかを見るのが好きでした。

特に西洋絵画は、時代が現代に近づいていくにつれてどんどんと本物に近くかつドラマティックな美しい作品が多いように感じます。

こちらの本は難しい美術書の解説本ではなく、普段絵画に接しない方向けの本だと思います。

あまり気負わずに手に取ってみて、絵画の何が恐ろしいのかを考えてみてはいかがでしょうか。

ここまで読んでくれてありがとうございます^^