【読書感想文】ルイ15世の公式寵姫ポンパドゥール夫人とは?「欲望の名画/中野京子」より
こんばんは、totocco(トトッコ)です(*´ω`)
今夜は先日読み終えた本の感想について。
「欲望の名画/中野京子」
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◆どんな本?
5つのテーマに沿って、中野京子さんがチョイスした絵画の解説がなされています^^
面白いのが各絵画に関する文章の前にその絵画の1部が拡大されていて、読者がどんな絵なのか考えることができる工夫が!
絵画に詳しくない人でもこの絵はどんなシーンなのか、何を表しているのかクイズ感覚で見てみると楽しいですよ^^
さて、たくさん紹介されている中で特に私が印象的だった絵画について紹介しますね☆
◆ラ・トゥール「ポンパドゥール夫人」
ロココ時代。
フランスのルイ15世の寵姫として君臨したポンパドゥール夫人。
彼女は24歳の時に国王の公式寵姫となり、ラ・トゥールが描いた頃には10年が経っていました^^
ちなみにただの愛妾というわけでなく、これは正式な職業であり給料も年金も支払われていたそう。
そして公式寵姫となった際に、王から領地ポンパドゥールとお城、そして侯爵という地位も得ました。(その後公爵へランクアップすることに)
なので私は当初ポンパドゥール夫人は、ポンパドゥール侯爵という夫の単なる婦人だったのかなと思っていました苦笑
実際はそうではなく、ポンパドゥール女侯爵が正しい彼女の身分ではないかと中野さんは説明されています^^
◆ポンパドゥール夫人の身分
ちなみに意外に思う方もいるかもしれませんが、彼女はもともと貴族ではありませんでした。
彼女はブルジョワ階級出身。
そのため、ルイの公式寵姫となった際は、貴族たちから嫉まれて陰口を言われることに。
しかし彼女は才色兼備であったため、次第に彼女の実力が認められるように。
ポンパドゥール夫人は更に驚くべきことに、24歳の時には既に夫も子どももいたそう。
ところが彼女は夫と子どもを捨てることに。
権力を求めた野心家だったことが分かりますね。
◆絵画の中の婦人
絵画では彼女を王の性的な相手という部分を見る者に意識させない工夫が散りばめられています。
例えば彼女の服装や絵画の中に描かれている小物たち。
婦人は宝石を身に付けていません。
これは公私混同をしていませんという意味。
ドレスはセンスの良いクリーム色で薔薇の模様があしらわれています。
これはフランスのファッションリーダーだったことを表し、更にフランスの服飾工場や国内産業を庇護している証。
ちなみに多くの本(モンテスキューの法の精神や楽譜など)や楽器などで彼女の知的さをアピール。
更にすごく美しい仕上がりとなっている作品です。
とても素敵な作品の1つです^^
◆ポンパドゥール夫人は事実上の宰相を担っていた
政治にちっとも関心を示さなかったルイ15世の代わりに事実上の宰相を務めた人物でもありました。
彼女の功績として、士官学校を造ったこと、そしてこれまで長きにわたってフランスと敵対関係だったオーストリア(ハプスブルク家)と手を結んだことでした^^
ちなみにフランスとハプスブルク家との友好の証としてルイ16世とマリー・アントワネットは結婚することになったのです^^
驚きですね!
ハプスブルク家と手を結んだフランスは当時台頭してきたプロイセンを攻撃するため、ペチコート作戦(ロシアのエリザヴェータ女帝も誘って挟み撃ち作戦)を展開!
これが7年戦争に繋がることになりました。
歴史はとっても面白いですね。
権力にしがみついたポンパドゥール夫人でしたが、最後は過労死によって亡くなりました。
人妻だったにも関わらず王に近づいてまで権力を欲しがった彼女はすさまじい女性だったんだなと感じます。
ここまで読んでくれてありがとうございます^^