【読書感想文】もっと社会が多様性を認められますように「リボンの男/山崎ナオコーラ」より
こんにちは、totocco(トトッコ)です(*^-^*)
今回は山崎ナオコーラさんのこちらの小説をゆるゆると紹介していきます☆
「リボンの男/山崎ナオコーラ」
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◆あらすじ
一家の大黒柱のみどり。専業主夫の夫、妹子。
2人の息子タロウとの日常を描いた作品。
現在では増えているのかな?
主夫の男性目線で物語は進んでいく。
主夫の妹子は主夫であること₌お金を生み出さない⁼価値がないと考えていた。
かつてはフリーターだった妹子。
その時はわずかでもお金を稼ぎ、外の世界(旅行や社会とのつながり)との接点があった。
妹子はみどりに対し外の世界で大きく羽ばたいているように見えてしまう。
自分が希望して子育てを担当している妹子だったけれど、息子タロウとの内に向かう生活に次第に窒息しそうに。
◆感想
子どもだけと向き合う生活は一見幸福だと思う。
けれど外の世界(これまで普通につながってた社会とのつながり、お金を稼ぐことなど)との関係が閉ざされてしまって、2人ぼっちと感じてしまっている妹子の気持ちの描写はよく分かる。
想像するだけで息が詰まりそうだと思う。
幸福だけれど、それだけじゃ…。
これから自分の子どもが生まれて子育てが始まった時に、内向きの世界(子どもと向き合う時間、子育ての時間ということかな?)は何も生み出してないんじゃないかと考えると恐ろしくなる。
妹子と同じだ。
以前の自分の世界が急に狭まった気がして、自分の価値がなくなった気がして怖いのだ。
育児だけじゃなくて、多くのフィールドを持ちたいと思った。
子育てはとても大事な仕事。
それはよく分かっている。
でも担いすぎている母(あるいは父)が多いのではないか?
妹子の考えが次第に内向きとなって、環境問題や動物(野生生物や外来生物など)に向かっていく。
こういう価値観がある、世間の主夫の印象がヒモと思われている(少なくとも妹子はそう感じている)中、ラストはヒモじゃなくて自分はリボンという肯定的な価値観(主夫であることを肯定できるようになった)を見出したのは良かった!
小説内では、意見が違う人間が現れた時にどう接していくのか私も分からないと思った。
人とのかかわりには絶対が存在しないのだから。
◆さいごに
家の中で働く(シュフ業)ことに悩んでいる時、専業主婦(主夫)に読んでほしい。
これから社会に出るだろう、学生(特に男子学生)に読んでほしい。
どうか、多様な価値観が日本で認められるようになってくれたら、
今日よりもきっと日本は住みやすい社会になるだろう。
属性によって社会が分断されることなく、主婦(あるいは主夫)が他のフィールドを持てるようになってほしい。
ここまで読んでくれてありがとうございました(*´ω`*)