11月初の読了本!娘の死の真相を知った時、あなたならどうしますか?
こんばんは、totocco(トトッコ)です(*^-^*)
今日は11月初めの読了本を紹介します^^
今回は、学校のスクールカーストの様子や娘を失った父の行動が描かれた芦沢央さんの小説について^^
「罪の余白」芦沢央
◆あらすじ
妻を病で亡くした大学教授の夫と、その娘。やっと妻(母)を失なった悲しみを乗り越えることができた時に、今度は娘の加奈が学校内で転落死してしまう。
しばらく何も手につかなかった安藤は、その後なぜ娘が死んだのかの真相を知ることに…。
◆感想
加奈のクラスメートで親友だった咲と真帆。しかし加奈を死に追いやったのはこの2人だった。
咲はとても狡猾な女子高校生。
もともと加奈をいじめるきっかけとなったのは、彼女の内面の問題だったと思う。
芸能人になりたかった咲。
しかし母が反対したことで、せっかく応募し受かったにも関わらず芸能界入りができず。
そんなうっぷんを抱えていた咲は、芸能人の〇〇に似ていると屈託なく言った加奈に対し、腹を立てる。
一方真帆は、スクールカーストで最下位辺りに位置している中学時代を過ごす。
学校という狭い空間の中で、思春期の子どもたちは自分の位置や、独りぼっちが異常に怖いという感覚が伝わってくる。
中高時代を過ごした人なら分かる感覚かな。
咲と一緒にいるために、加奈をかなりひどいいじめをしていた。
加奈にセミを食べさせたり、母の形見だった財布を盗って捨てたり…。
きっと2人には、本当に反省ということはなかったと思う。
咲はどこまでも保身に走る。
真帆は咲と一緒にいるために行動を共にする。
しかしラストの安藤家に忍びこんだ時、咲は真帆だけを死に追いやり、安藤までも手にかけて、自分だけ助かろうとする。
どこまでも残酷な人物。
人の気持ちが理解できない大学の同僚の早苗と、人の心を巧みに操る咲の対比はとても面白い。
そして心理学の教授をしている安藤が死んだ娘の気持ちが全く分からないのは(ある意味当然だけれど)皮肉だなぁと。
印象的だったシーンについて。
安藤は加奈の遺したパソコンから彼女の日記を見つける。
そして咲と一緒にそれを目にしたシーンはとてもドキドキした。
加害者が今となりにいる。
そして娘を奪われた父の憎しみや怒りを側で感じるところで立っているというのは、どんな気持ちとなるのだろう。
安藤が娘を覚えていてもらうための作戦は、意表を突いたと思った。
まさか、咲に自分を殺させようとさせるなんて。
きっと自分が加奈を助けられなかったという負い目などを感じていたんだろう。
人間は本当にもろい。
すごく弱い。
ラストはほんのりとハッピー?
…加奈の死は変わらないから、個人的にはちっともハッピーではないなと思う。
皆さんも良かったら読んでみてください^^
ここまで読んでくれてどうもありがとう!