メアリ・ステュアートは悲劇の女王か?エリザベス女王に危険視されたスコットランド女王の素顔
こんばんは、totocco(トトッコ)です(*^-^*)
今回は中野京子さんの「残酷な王と悲しみの王妃」を紹介^^
◆あらすじ
スコットランド女王だったメアリ・ステュアートやスペイン・ハプスブルク家のマルガリータ王女など、世界史に登場する王妃たちの生涯について書かれた本。
この本からは当時の王妃たち、または各国がどんな状況だったのかを垣間見ることができます(*'ω'*)
◆感想
今回は5件の王妃の話が書かれていたけれど、最も興味を惹かれたのがスコットランド女王メアリ・ステュアート。
メアリ・ステュアートは以前世界ふしぎ発見で特集が組まれていたのを思い出した。
確かメアリは悲劇の女王として取り上げられていたような気が…。
本書では、メアリが生きた時代の複雑さなどが読み取れて楽しい。
最終的には遠縁のイングランド女王、エリザベス1世によって処刑されるメアリ。
悲劇の女性と思っていたけれど、読んでみたら印象が変わる。
彼女は権力にしがみつき、死ぬまで自身を女王として振舞っていたことが分かる。
当時のイングランド王、ヘンリ8世はスコットランド女王のメアリを息子と結婚してスコットランドを手にしようと画策。
婚姻条件にはメアリが結婚式よりも先に死んでも継承権は息子に移るという条件に危機感を持つメアリの母。
母の実家、フランスのギーズ家の助けによって、ヘンリ8世の魔の手から脱出することに成功したメアリ。
フランスのフランソワの元に嫁ぐことになった彼女は、彼の母カトリーヌ・ド・メディスを商家の娘だったため生まれをバカにする。
更に自身がスコットランド女王とイングランドの王位継承権をも持っていたため、エリザベスにとっては危険視されることに。
エリザベス1世は一度ヘンリ8世から庶子にされていたから、正当な継承者ではないと考えていたメアリ。
自身の署名にはイングランド女王と書いていたそう。
エリザベスとは姉上、我が妹という親密さを演じた手紙のやり取りが残されている。
しかし実際にはそんなほほえましいものではなかったようだ。
フランソワの死によってフランスからスコットランドへ帰ることになったメアリ。
しかし彼女は未亡人とはいえ、まだ若くて女王という肩書があった。
そのためフランス、スペインなど当時の大国から求婚される。
もちろんエリザベス1世はメアリの動向に注目する。
プロテスタント国のイングランドと敵対するカトリック国の君主とメアリが結婚したら、イングランドは挟み撃ちにされてしまうから。
結局メアリは自身のスキャンダルによってスコットランドにいられなくなり、エリザベスの元へ逃げ込むことに。
ただ最期の死刑の場での彼女の演出は見事!
当時の処刑は高貴な身分の者には斬首。
これは痛みが一瞬で済むからというもの。
残念ながら斧をふるうのは生きた人間だから、そうそう上手く斬れるわけもなかったそうだけれども。
ここまで読んでくれてありがとうございます^^