mastemのブログ

本好きの備忘録( *´艸`)ゆるゆる感想と日常について書いてます

【怖い絵の著者が送る知識の快楽を】今回は絵画ではなく橋にまつわる物語★

こんばんは、totocco(トトッコ)です^^

今回は先日読み終わった、中野京子さんの「怖い橋の物語」の感想をゆるゆる書いていこうと思います!

中野京子さんと言えば、「怖い絵シリーズ」の著者としても有名ですよね。

「怖い橋の物語」では、北海道新聞の夕刊コーナーにて連載したものを選んで加筆修正したものが載っています^^

それでは感想をゆるゆると書いていきます☆

「怖い橋の物語」中野京子

 

感想

橋というものは、別の空間をつなぐものとして考えられてきました。例えば、今生きている世界と死後の世界。そうした人の力ではどうにもならない恐ろしさを橋には感じることができますね。

 本作では実に多くの話が掲載されています。中でも個人的に好きな話を2つご紹介!

まずは石見銀山の反橋を。

この橋は、島根県の反橋を取り上げたもの。羅漢堂の本堂と向かいの石窟を渡すために3つの反橋がかかっています。しかしその奥には平な橋も1つかかっています。なぜこんなにも多くの橋が短い間隔にかかっているのでしょうか。それは、人用と人では亡くなった者用の2つを用意しているから。

銀山では頻繁に事故が起こりやすい場所。そして当時の炭鉱で働く人々は使い捨ての労働者でした。多くの者が有毒なガスや酸素不足で命を落とすことに。

すると銀山で富を成した者は祟りを恐れ、3つ哀れな魂たちのためにかけたという話。

 

どことなく、多くの命を犠牲にして自らは財を成すと祟られそうな気がして恐ろしいですよね。

では、2つ目に紹介するのは、フランスの国王の愛人と妃の話を。

フランス・パリ郊外にたたずむ白い美しい城があります。この城の隣には同じく白い美しい橋がついており。より城を美しさを引き立たせています。

この城はシュノンソー城。もともとはヴァロワ朝のフランソワ1世に贈られた城でしたが、次のアンリ2世が愛人に贈ったのです。こと愛人というのが、アンリの母よりも年上の未亡人、ディアーヌ。彼はディアーヌの虜で、アンリの王妃でメディチ家出身のカトリーヌ・ド・メディシスは顧みられることはなかったそう。しかしアンリの事故死から二人の立場は一変。権力を手にしたカトリーヌがディアーヌから宝石や城を取り上げ、追い出したのです。こうして残った城と橋。カトリーヌは橋を回廊のように改造し、ディアーヌが造った庭に対抗するかのように反対側に庭を造ったという。

いつの時代も女性の嫉妬は激しいものですね。

 

いずれも読者を飽きさせない一冊となっており、中野京子さんの作品はとても魅力的です(*´ω`)

皆さんもぜひお手に取ってみて下さい^^