mastemのブログ

本好きの備忘録( *´艸`)ゆるゆる感想と日常について書いてます

【読書感想文】「変半身/村田沙耶香」PART1

こんにちは、totocco(トトッコ)です(*^-^*)

ここ最近はうどん県でもコロナの感染が深刻な事態になってきました。

高松市内の保育園、保育園児たちにも感染した子がいるそう…。

みんなが軽症ですぐに回復できることを祈っています。

 

 

さて、今回はこちらの本の読書感想文をゆるゆると書いていきます☆

「変半身/村田沙耶香

ハードカバーの表紙の絵がとても美しいと感じます(*´ω`*)

これは、湊かなえさんの「夜行観覧車」のような雰囲気の表紙だからかもしれません笑

それでは感想を^^

 

◆変半身

この本では、「変半身」と「満潮」という話が収録されています。

「変半身」では、島で生まれ育った陸が主人公。

彼女は中学2年生の時に、島の秘密の祭りに参加することに。

この島では、ポーポー様という神さまがおり、また秘密の祭りは伝統的なもので絶対に中2になれば参加しないといけないものでした。

そして参加した際に、ある事件が。

 

その後祭りに参加した他の2人と共に、陸も島を離れていた。

しかし3人で島に帰省することになり、戻ってみるとすっかりと島の中の文化は変わっていた。

陸が中学2年生まで信じていたポーポー様の影はどこにもなく、胡散臭い人物がプロデュースした町おこしが成功していた島。

そしてかつて好きだった高城君がまた騙されて、祭りに参加することに。

 

 

◆感想

これまでずっと信じていたものが一瞬にして崩れ去る経験は人はなかなか経験することはないと思う。

だからこそ、陸たちの経験したことはすごくショックな出来事だと思った。

秘密の祭りは、本当はでっち上げられたもので島の若い男たちの性への欲望のためのものだったと知った時の気持ち悪さといったら。

言葉にできないほどのものがあった。

誰に言ってもきちんと彼らを処罰しないような状況はまるで日本のようで。

性犯罪者にとっても優しい世界がこの小説の中にもあってしんどいなと感じた。

 

でもこの話のメインテーマはそこじゃない。

これまで信じていたものが崩れ落ちるということがテーマなのかもしれない。

何が本当なのか。

本当のことなんて本当は何もないんじゃないのかと読めば読むほど疑心暗鬼になってしまう。

ラストシーンの高城君が騙されて手術を受けて、お腹にたまごを入れられて祭りの最中に産まされている描写はとんでもなくグロテスク。

でもなんとなく、村田さんの作品はそこまでのグロさを感じさせない。

盲目的に嘘を信じている高城君はどこか静謐さ、無機質さを感じる。

新しい生命を生み出しているわけでもないのに、なぜかこれまでの村田さんの作品と地続きのように思う。

タクヤと陸の夫、同級生の花蓮の行動は読んでいる側もふとしたら巻き込まれそうに感じる。

本当はニンゲンなんてどこにもいなくて、1000年前からニンゲンという奇祭をやらされていたんだって思いこんでしまう。

誰も信じられない。

いや、堂々とニンゲンっていう祭りをしていただけだったと言われたらたちまち信じてしまいそうな狂気がそこにあった。

 

◆さいごに

ここでは、2つの話のうちの「変半身」についての感想を書きました^^

また今度「満潮」の感想を書けたらと思います^^

 

それにしても村田ワールドはすごいですね。

正常って何なのさ?

っていう問いがまた小説の中でされているような気がしてたまりません!

また違う作品を手に取って読みたいと思います(*´ω`*)

 

ここまで読んでくれてありがとうございました!