mastemのブログ

本好きの備忘録( *´艸`)ゆるゆる感想と日常について書いてます

【読書感想文】『怖い患者/久坂部羊』

こんにちは、totocco(トトッコ)です(*^O^*)
ついに今年も下半期突入ですね❤️
この下半期は新しい家族が増え、てんやわんやの毎日になるでしょう。
もともと心配性の私。
子育てノイローゼにならぬよう、あんまり根を詰めすぎず、周りの人たちと一緒になって生まれてくる子を育てていきたいなぁと思います🍀


さて。
本日の感想文はこちらの本を(^-^)
初読の方の作品です🎵

『怖い患者/久坂部羊

怖い患者 (集英社文芸単行本)

怖い患者 (集英社文芸単行本)

◆あらすじ
5つの短編からなる本です。
パニック障害という診断を受け入れられず、次々にクリニックに通う女性の話。
他人の不幸に喜びを感じる女医。
自分を中傷する手紙を出したのは誰と考えるうちに疑心暗鬼に陥る妊婦。
デイサービスを併設した開業医とデイサービスの利用者たちの話。
ヘルペスの治療のために注射された女性。しかしその注射は薬害が報告されていたもので、その被害者の会に入会することになった話。

内容も読みごたえがあるのに、テンポ良くサクサクと読み進められました(^-^)
今回は中でも特に印象的だった話の感想を。

◆感想
特に私が好きなのは、3つ目の話である「老人の園」。
ここでは、症状の程度が異なる利用者と彼らを迎え入れる医師の様子が描かれています。
比較的体の機能も軽症で口がたつヨウジとアサコは他の重症な利用者をバカにしたり嫌がらせをしていました。
次第に怪しくなっていくデイサービスの雰囲気。
そうして、ついに事故死に見せかけた殺人が起こりました。

かなりリアルに描かれていて恐ろしい。
だけど読む手が止まらない。
弱者である、高齢者たちが嫌がらせをしてくる高齢者を手にかけて更に対策を講じなかった医師までも殺害しようとするのは怖い。
そこまで負のエネルギーがみちあふれているのが怖い。

ラストの医師を殺害しようとするシーンはすごい。
あらかじめ役割を決めて、職員がいなくなった隙を狙う。
そして医師の殺害方法がかなり太った高齢者の下敷きにして窒息死させることとは…。
息ができなくて意識がなくなっていく医師の描写がとても生々しかったです。

ここまで極端にはならないにしろ、現実でも起こりうるような話。
そんな時にうまく諍いをおさめたりできたら…。
とても難しいですけど、そう思わずにはいられません。

◆さいごに
久しぶりに読後かなり後味が悪いイヤミスに出会いました笑
そして作者の方は初めて読む作家さんでもあり、恐る恐る読みましたが、とても面白かったです(^-^)
医師でもあり作家でもある、久坂部さんの描く話はとてもリアリティーを感じます。
他の作品も探してみようと思います( ・∇・)

ここまで読んでくれてありがとうございました!